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【英文法解説】もう後悔しない!仮定法過去完了で「もし〜していたら」が言えるようになる


「あのとき、こうしていればよかったのに…」



「もし違う選択をしていたら、今ごろどうなっていただろう」
英語学習者の多くが、こうした“過去の後悔や仮定”を英語で表現したいと思ったことがあるのではないでしょうか?
しかし、実際に口に出すとなると、「時制がややこしくて難しい」「助動詞が2つもあるなんて意味がわからない」といった声をよく耳にします。
そこでこの記事では、そんな混乱しがちな「仮定法過去完了」について、例文や問題も交えながら、じっくり丁寧に解説していきます。
例えば、以下のような英語表現に出会ったことはありませんか?
このような「過去に実際には起こらなかったこと」を、英語では「仮定法過去完了」を使って表します。
それでは、文の構造や使い方を見ていきましょう。
構造と意味
仮定法過去完了の文の基本構造は以下の通りです。
If + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + would (could / might) + have + 過去分詞
この構造によって、「〜していたら、〜だっただろうに」という、実際には起こらなかった過去の出来事を想像することができます。
用法の詳細
仮定法過去完了が使われるのは、以下のような場面です。
- 過去の後悔
- 過去の選択に対する別の可能性
- 過去の出来事が別の結果を引き起こしていたかもしれないという想像
このようなニュアンスを表す際には、「had + 過去分詞」と「would have + 過去分詞」がカギとなります。
使用例と和訳
If I had left home earlier, I wouldn’t have missed the train.
もっと早く家を出ていたら、電車に乗り遅れることはなかったのに。
解説
この文は、過去に起こった事実とは違うことを仮定しています。実際には「早く家を出なかった」ために、「電車に乗り遅れた」のでしょう。その事実を踏まえ、「早く出ていたら」という想像を表現しているのです。
構文は、仮定法過去完了の基本形に忠実です。
If + 主語 + had + 過去分詞(left) が条件節、主語 + would not have + 過去分詞(missed) が主節です。
この構文により、「過去に起こらなかったことへの後悔」や「仮定」を表すことができます。
If she had taken my advice, she might have avoided the trouble.
もし彼女が私の助言を聞いていれば、そのトラブルを避けられたかもしれない。
解説
この文では、「実際には助言を聞かなかった」ことによって「トラブルが起きた」という事実を前提に、「助言を聞いていたら…」という想像を述べています。
主節に注目すると、「might have 過去分詞」が使われており、これは「〜だったかもしれない」という不確実な結果を表します。
このように、仮定法過去完了では主節に「would」「could」「might」などの助動詞を使い分けることで、ニュアンスを調整することができます。
If they had prepared well, they could have won the match.
もし彼らがしっかり準備していれば、その試合に勝てたかもしれない。
解説
この文では、「準備が不十分だったために試合に勝てなかった」という過去の事実をもとに、「準備をしていたら勝てたかも」という仮定を述べています。
主節には「could have + 過去分詞」が使われています。これは、「〜できたかもしれない」という可能性を示す表現です。
「could」は能力や可能性を表す助動詞なので、「実力があれば達成できた」というニュアンスを含んでいます。
また、「prepare well」という表現が文のポイントです。「しっかり準備する」という意味で、単に「準備する(prepare)」よりも、どの程度の努力が足りなかったのかを具体的に示すのに役立っています。
文法問題で確認
次の文を完成させてください。(適切な形に動詞を変えてください)
If he ( ①) more careful, he ( ②) the vase.
① be
② not break
【解答例】
If he had been more careful, he wouldn’t have broken the vase.
もし彼がもっと注意深かったら、その花瓶を壊さなかっただろう。
仮定法過去や仮定法現在との違い
仮定法には、仮定法現在・仮定法過去・仮定法過去完了がありますが、それぞれ時制が異なります。
ここで仮定法過去との違いを整理しておきましょう。
仮定法過去:If + 過去形, would + 動詞の原形(現在の事実に反する仮定)
仮定法過去完了:If + had + 過去分詞, would have + 過去分詞(過去の事実に反する仮定)
例えば、
If I were you, I wouldn’t do that.(仮定法過去)
もし私があなただったら、そんなことはしないのに。
If I had been you, I wouldn’t have done that.(仮定法過去完了)
もし私があなただったら、そんなことはしなかったのに。
言い換えの表現
仮定法過去完了は、倒置や省略によって表現を変えることもあります。
例えば、
Had I known the truth, I would have acted differently.
もしその事実を知っていたら、違う行動を取ったのに。
(=If I had known the truth, …)
「If I had 〜」の部分を倒置させると、助動詞「had」が主語「I」の前に出て、
Had I known the truth, I would have acted differently.
となります。倒置されたことにより、「if」が省略され、文章全体が形式ばった、書き言葉的な印象になります。
よく使われる動詞
仮定法過去完了の中でよく使われる動詞や表現をいくつか挙げておきます。
- leave
- study
- be
- know
- take
- prepare
- listen
- forget
- break
まとめ
仮定法過去完了は、過去の出来事に対する「もしも〜していたら」という後悔や想像を表す非常に重要な文法です。
最初は複雑に思えるかもしれませんが、構造を覚えて、例文を繰り返し音読することで、自然に使えるようになります。
現実では過去を変えることはできませんが、英語ではその「もしも」を表現できます。
あなたの英語の表現力が、またひとつ自由になりますように!これからも一歩ずつ頑張っていきましょう。
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